On Rotary Club

RI会長プロフィール


ジョナサン B. マジィアベ

2002-03年度会長エレクト
2000-02年度アフリカ地域ポリオ・プラス委員会、委員長
2001-02年度世界問題委員会、委員長
2000-01年度国際ポリオ・プラス委員会、委員
1993-96年度ロータリー財団管理委員
1988-90年度国際ロータリー理事




ジョナサンB. マジィアベ氏は、ナイジェリアの上級弁護士であり、ナイジェリア国内で広く商法を扱うJ.B.マジィアベ・アンド・カンパニーの主任顧問です。ラゴスに生まれ、ロンドン大学を卒業しました。
マジィアベ氏は、ベンチャーズ名誉団体の会員で、カノ州、暫定司法サービス委員会の元委員、元ナイジェリア法曹協会副会長であり、ならびに国際法曹協会の会員でもあります。また、カノ・レバノン・クラブおよびカノ・クラブの管理委員を務めています。氏は、長年英国国教管区の宗教法顧問チャンセラー)を務め、現在は、ナイジェリア赤十字社、カノ支部の委員長です。またカノ商工鉱農業会議所の会員でもあります。

マジィアベ氏は、1967 年以来のロータリアンで、カノ・ロータリー・クラブの会員、元会長です。国際ロータリーの地区ガバナー、国際協議会研修リーダー、委員会委員、理事、ロータリー財団管理委員を務めました。ロータリー財団功労表彰状および特別功労賞を受賞しています。
アフリカ地域ポリオ・プラス委員会の委員長、ならびに国際ポリオ・プラス委員会の委員として、マジィアベ氏は、ポリオ撲滅のための全世界での活動に貢献しました。
ロータリーのポリオ・プラス・プログラムは、1985 年に開始され、ロータリーの100 周年である2005 年までにポリオのない世界を証明するための、国際保健機関および政府を援助する活動的な公共/民間パートナーシップです。
2005 年までに、ロータリーは、ポリオ撲滅活動に米貨5 億ドル近くを寄付したことになります。現時点で、20憶を超える子供たちが、致命的なポリオ・ウィルスの予防接種を受けています。













RIテーマ・RI会長メッセージ
 2003−2004年度
  国際ロータリーテーマ
                          「手を貸そう」 
                         (Lend a Hand)
                                           ジョナサンB. マジィアベ
ビチャイ・ラクタル会長、パスト会長、親愛なるロータリアンの友人の皆さま

国際協議会はロータリーで毎年恒例の祭典であり、非常に特別な方々が出席されます。エバンストンからは、忠実で仕事熱心な事務局職員。また、世界中から、献身的なパスト会長、現職の理事ならびに財団管理委員会委員の方々がお見えになります。世界中の研修リーダーも参加されます。ご臨席のシニア・ロータリー・リーダーの中には、豊かな知識と経験を分かとうと遠路はるばる毎年参加してくださる方々もおられます。

この方々は皆、ロータリー国際協議会の最多構成員であるあなた方を激励し、支援するためにここに集われした。

あなた方とは、2003-04ロータリー年度に地区ガバナーとして奉仕するよう選ばれた男女です。あなた方とは、地区ガバナーを支援しながらロータリーの成功を推進する配偶者の方々です。

私たちは皆共に、ロータリアン家族の一員です。

あなた方の多くは、この素晴らしい体験をご夫妻で分かち合われるのは今回が最初で最後かもしれませんし、一部の方々にとっては、今後出席される数多くの国際協議会のこれが最初のものであり、また国際協議会は今回が初めてではないという方も若干名おられることでしょう。

しかし、あなたにとって、これはまさしく人生の拠り所となる祭典です。あなたはここで、国際ロータリーの親睦の深さと広がりを体験し、ロータリーについて想像を超えるほど多くのことを学び、地区リーダー、ロータリー・リーダーという最もやりがいのある奉仕の任務を引き受けた者として最初の報酬を味わいます。

しかし、おそらく、この瞬間にあなた方の多くは先のことが心配で、この行事を祭典と考えることができないでおられるしょう。いずれにせよ、あなたは途方もなく大きな責任を負うことに同意なさったのです。

めんどりが豚に向かって言った言葉を思い出します。めんどりが嬉しそうに自慢しました。「私たちは名コンビね。どうしてって、これまでハムと卵が朝の食卓にどれほど貢献してきたか考えてみればいいのよ。」これに対して、豚は悲しげに言いました。「君にとっては小さな寄付で済むだろうけれど、こっちはすべてを捧げ尽くすことを意味するんだよ。」

このような恐れは当然ですが、あなたより前に何百人ものロータリアンが同じ道を通ったのですから気を楽にしてください。これらの先達の多くが、自らの知識をあなた方と分かち合うためにここに来られています。

この一週間は、つまづきの石とも、踏み台とも成り得ます。しかし、そのいずれになるかはあなた次第です。ここアナハイムで開かれる正式なオリエンテーションで、あなたは非常に和気あいあいとした雰囲気の中で、国際ロータリーとロータリー財団のプログラムについて学ばれます。

それ以上に、喜びを実感されるでしょう。

あなた方お一人お一人は各地区によって選ばれてここにおいでになりました。これはあなたに示された信頼と最高の敬意の証です。
それゆえ私は、あなたが地区ガバナー・エレクトという特別な指導者として、ロータリーの名門校に入学なさったことにお祝いを申し上げます。

あなたがここにいらっしゃるのは、親睦と奉仕がすでにあなたの生き方の機軸であり、あなたの心臓がすでに他の人々への慈愛で鼓動しているからです。あなたはロータリーの理念が世界全般にいかに必要か、またロータリーがあなた独自の政治的、文化的、宗教的背景にいかに適合するかを理解しておられます。そしてこの理解から、あなたの夢と抱負が生じるのです。この理解からさらに深遠なレベルで奉仕したいという願望が湧き上がるのです。

まわりを見回してください。前後左右に座っている人々をご覧になってください。今は知人として、本会議であなたの隣に座り、グループ討論であなたの向かいに座り、ディナーでテーブルを共にした人、これらの人々との関係が末永い友情へと実を結び、あなたのこれからのロータリー人生を豊かなものにします。

奉仕の理想への確固たる誓約と、さまざまな背景の人々と積極的に交流しようとする態度で臨めば、これからの一週間はあなたのロータリー人生で最良の学びの機会となることでしょう。

そして来年度の課題に応じて機会を最大限活用するためには、この研修の全時間が必要であると申し上げます。

ここで2003ー04年度に行われる行事の中から、ロータリー指導者としての私たちの役割に影響を与えるものを2、3選んでご紹介しましょう。

●第一期ロータリー世界平和奨学生が卒業し、世に出て世界平和のための実践的、効果的な媒介として働き始めます。これは画期的出来事であり、各国政府、国際機関はもとより、国連でさえ、交渉専門家や外交官や指導者が必要なときにロータリーに頼る日がそれだけ近づいたことを意味します。
● さらに、私たちの年度にロータリー100周年記念の一環として国際ロータリーは双子クラブ・プロジェクトを開始します。クラブにとっては、人道的活動を世界の他地域へと拡大する特別な機会となります。
●そして最後に、規定審議会が2004年に開催され、私たちが前進し続けるにあたって必要な変更について審議します。
2003-04年度はロータリー創設から100年間の最終年度を飾る心はずむ年となります。全地区ガバナーの知性、共感、指導力を余すところなく活用して、ロータリーの使命を世界中で押し進める時です。

ですから、2003-04年度にガバナーを務めるあなた方を暖かく歓迎し、特にあなたの内に奉仕と親睦の火を灯し、赤々と燃え続けさせている貢献者である配偶者の方々に心より歓迎の言葉を贈ります。

2003-04年度のロータリー指導者として、あなたはまた、ロータリアン家族の非常に重要な構成員でもあります。ロータリアン家族は120万人の会員のみならず、ロータリーの奉仕活動に不可欠な、極めて重要な支援を提供する配偶者やその他の家族の方々も含めた独自のグループです。私たちの奉仕の提携グループであるローターアクト、インターアクト、ロータリー地域社会共同隊もこの幅広いロータリアン家族の一部であり、地域社会で、また世界中で人々の生活向上のために専心しています。

私たちは世界160カ国以上から集まり、数十の異なる言語を話しますが、お互いの幸せを考えるという点で共通しています。ほとんどの家族と同様に、ロータリーの家族は世界の試練に立ち向かうために力を合わせ、励まし合う聖域を提供します。心の憩いとなる伝統を提供し、私たちの先達を尊び、新入会員を暖かく迎えようとする場です。

私たちのクラブは、ロータリアン家族の中核となる場です。だからこそ、来年度、すべてのクラブにロータリアン家族委員会を結成して、温かさと思いやりのある雰囲気を作り、育む方法をさらに多く見出して頂くようお願いするつもりです。

これを行う方法の1つは、私たちの思いやりの心を示す対象を各ロータリアンだけでなくロータリアンの配偶者と子供たちにも拡大することです。ロータリー世界の至るところで若い会員は、ロータリーのために費やす時間と家族のための時間が鎬を削っているとは感じたくないと言います。もし私たちが親睦と奉仕の行事に家族を加える機会を支持するなら、この葛藤はなくなります。このような家庭的な思いやりの雰囲気の中で、ロータリアンの逝去はロータリーと亡くなったロータリアンの家族との関係の終焉であってはなりません。ロータリアンの遺族をロータリー後援の行事に招く機会は十分にあります。 

ロータリアン家族委員会は、クラブ内で家庭的な雰囲気を培うさらに多くの方法を見出すのを手助けしてくれるでしょう。なぜなら、そのような雰囲気はクラブの外での善行を可能とするからです。ロータリアン家族委員会はまた、会員増強という私たちの継続的な使命を応援してくれます。私たちは、新会員の勧誘になかなかに長けていることが会員増強キャンペーンで十分実証されています。しかし、退会防止については、まだすべきことがあります。そして、この仕事は必須です。ロータリーは献身的で、知識が豊かで、成熟した会員が頼りだからです。

会員の勧誘と退会防止について考えるとき、私たち自身がなぜロータリーに入会したのかを思い出すと役立ちます。私たちがクラブに入会したときの願いは何だったでしょうか?

当時何を考えていたかを思い出すと、新会員が周囲に歓迎され、参加していると実感できるようにするにはどうしたらよいかが分かります。私たちの大半は、他者を援助したいがために入会しましたが、自分一人だけで行いたくなかったので、ロータリーに入会したのも確かです。「一人で何ができるか?」と私たち皆が自問したから、ロータリーに入会したのです。

ロータリーでは、私たちは決して一人きりである必要はありません。私たちは、人々は必ずしも苦しむ状況に 置かれる必要はないはずだと信じる120万人の一員なのです。ですから、私たちがクラブの親睦に力を注ぐのであろうと、困っている人々のために活動するのであろうと、人は皆、誰かが思いやってくれることを知ることによってより強くなり、世界に直面する力が得られるのです。

哀れみは私たちの組織のエンジンを動かす燃料だと言うことができます。そして、この燃料が決して切れることがないのは幸運です。実際、これは使えば使うほど、いっそう湧いてくるものです。

そして、哀れみの心こそ、世界中でロータリーを著名にしている崇高な目標を追求するために私たちに全面的に必要なものです。

この崇高な目標とは何でしょうか?飢える者に食糧を与え、裸の者に衣服を与え、家のない人々に簡易住宅を与え、病人を慰め、高齢者の世話をすること。つまるところ、人間同士として援助と慰めをもって他者に近づくことです。
苦境にある人を援助したいという単純な願望は、万人の心にあると私は信じています。私たちはロータリアンとして、きわめて自然に振舞っているに過ぎません。
私たちは感じるところに基づいて行動します。

突然の大災害が予告もなく社会を急襲したとき、この反応がどれほど自然で、あたりまえで、単純であるか考えてみてください。

1995年1月17日午前5時46分、マグニチュード7.2の大地震が日本の神戸市を襲いました。 6,279人の命を奪い、19万2,706 戸の住宅を破壊した大惨事でした。 警告もなく無慈悲に襲いかかった災害でした。

しかし、地震が発生した時、ロータリアンは援助のために現場に駆けつけました。地域に根ざしたクラブの世界的ネットワークという素晴らしい構造を持つ私たちは、援助の手を貸す絶好の立場にありました。

1998年10月ハリケーン・ミッチが時速180マイルの突風で中米を襲いました。海岸地方を破壊し、ホンデュラス、ニカラグア、エルサルバドル、グアテマラ全域で大洪水を引き起こしました。最終的に、11,000名の死者と数千人の行方不明者を出し、数十万人が家屋を失いました。

ここでも再びロータリアンは救助にかけつけました。災害直後からロータリアンは食糧、衣服、毛布、緊急簡易住宅などの生存手段を被災者に提供しました。何カ月も後になっても、ロータリアンはまだそこで、ハリケーンの暴風雨や洪水で押し流された建物や人々の生活の再建に力を尽くしていました。

2001年9月11日、世界中の人々はハイジャックされた4機の旅客機が、ニューヨーク市のワールド・トレード・センター・タワー、首都ワシントンの国防総省ビル、そしてペンシルバニア州の農村部に墜落するのを恐怖と信じられない思いで見つめました。

そこにも、ロータリーがいました。打ちのめされるような悲しみと衝撃にもかかわらず、ロータリアンは被災者と遺族の救済のため、ただちに作業にとりかかりました。ロータリアンはまた、互いに手を差し伸べ合いました。ロータリー世界のあらゆる言語で書かれたメッセージが世界本部に届きました。これらは心痛と同情を 示すとともに、親睦と奉仕によって団結した平和な世界というロータリーのビジョンへのより深い献身を表現するものでした。

翌年、何万人もの難民がアフガニスタンの紛争と不安定を逃れ、安全を求めて隣国パキスタンにやって来ました。家族全員が小さなテントにすし詰め状態で暮らし、人々の生存は、厳しい地形を超えて何とか持ち運んできたわずかな所有物にかかっていました。砂漠の冬の厳しい寒さがすでに幾多の試練を耐え忍んできた難民にふりかかったとき、食糧、水、暖かい衣服―これらのいずれも手にしていなかったのです。

そこにも、ロータリーがいました。「超我の奉仕」の理念で団結したさまざまな国籍、文化、言語、宗教のロータリアンが一団となって必需品を配りました。これらは、世界中のロータリアンが寄付によって提供した物資でした。

こういう災害は、人災であっても天災であっても、アドレナリンの分泌を急増させます。生存者はそれを実感しますし、現場に救援に駆けつける者もそうです。
活発に分泌されたアドレナリンが、仕事をやり遂げるエネルギーを提供します。それが一昼夜働き続けることや、個人的に大きな危険がある地域に行くことを意味するとしても。

これが人間性の典型です。同じ人間として、生死にかかわる状態にある人を見ると、手を貸して安全な場に引き上げようとします。
ところが、進み具合はゆっくりでも、破壊力の劣らない他の災害については緊急性を感じにくいのは興味深いことです。

貧困、非識字、病気などの災害です。洪水、ハリケーン、地震に対する救援を協力して提供したと同じように、来年度、私はロータリアンに力を合わせてこれらの致命的な悪に対する救援を提供するようお願いするつもりです。

貧困は災害です。この災害を南アフリカの元指導者ネルソン・マンデラ氏は、「人間の尊厳に対する最大の襲撃の一つ」と呼びました。マンデラ氏は「襲撃」という言葉を安易には使いません。

世界の最も貧しい地域では、貧困の光景から逃れることはできません。衣服がないためにぼろ布をまとった男女、あまりの空腹に遊びまわる元気すらなく、ものうげな目で宙を見つめる子供たち、壊れたなべに汚れた水を入れる人々。しかし、豊かな国々にも貧困があることを忘れないようにしましょう。比較的目につきにくいだけのことです。世界のどの地域社会にも、空腹を抱えて床につく人、寒さに凍える人、貧しさゆえに絶望を感じている人々がいるのです。

私たちはこれら何百万人もの人々にも手を差し伸べて、安全なところに引き上げなければなりません。

ロータリアンは非常に多くの方法で貧しい人々を援助することができます。私たちが着なくなった服を提供するような簡単なことがあります。小口金融プロジェクトを支援して、働いて家族を養うことを何よりも望む勤勉な人々の起業努力を助けることもできます。

また、貧しい人々を助ける最も効果的な方法の1つは教育です。

非識字という災害は荒地に何百人という捕虜を囲い、逃れる希望を与えません。基本的な読み書きと計算の能力がなければ、誰しも冷酷な貧困の縄目を断ち切ることができないのです。

教育の問題を取り上げるとき、私たちは女性と少女たちに特別な注意が必要なことに留意しなければなりません。発展途上国の至るところで、女性は男性よりも識字率が低く、その理由は、教育機会を与えられていないために他なりません。私たちはこうした機会を女性に与えなければなりません。それは、世界中で女性が主に育児の責任を担っており、読み書きのできる女性は、子供たちを読み書きができるように育てるからです。

教育を受ける機会のない男女や子供たちにとって、人生は、毎秒毎分が生存のための苦闘であり、将来のための計画など立てるゆとりはありません。

私たちはこれらの何百万人もの人々にも手を貸して、安全なところに引き上げなければなりません。

できることは山ほどあります。すべての地域社会で、全体的な識字率のいかんにかかわらず、学校と子供たちは援助を必要としています。ライトハウス識字率向上プログラムのような包括的なプログラムを通して人々に読み書きを教えるほかに、子供たちに個人指導を行ったり、本のない人々に本を提供したり、教師の補助をしたり、貧しい地域に移動図書館を巡回させたりすることによって、私たちは識字率の向上に貢献することができます。

貧困に立ち向かうのに、教育ほど優れた武器はありません。

そして、教育は、貧困がもたらす最大の悲劇の一つであり、私たちの活動の焦点とされるべき最後に残った人災、すなわち、まともな医療を受けられない人々の苦しみと立ち向かうためにも必須です。これらの人々の多くは予防可能な病気や症状で苦しんでいるのです。

保健の問題を考えるとき、私たちはまず病気について考えます。世界中で、ロータリアンは病気と闘っています。私たちの最も大掛かりな活動はもちろんポリオ・プラスです。しかし、クラブや地区は、世界中でマラリア、糸状虫病、狂犬病、エイズなどの病気に対する闘いが遅々としてなかなか進まない状況にも応えています。

健康とは単に病気にかかっていない以上のことを意味すると私たちは知っています。保健とは優れた栄養です。保健とは予防可能な病気に対する予防接種を受けられることです。保健とは歯科衛生や歯科治療を受けられることです。保健とは、口蓋裂や手足の奇形、心臓障害を矯正する現代的な外科手術を受けられることです。保健とは優れた妊婦・胎児のケアです。

しかし、この世界ではあまりに多くの人々が自力でやって行く、最善を祈るだけの状態に取り残されています。このような状態だからこそ、ある国では乳幼児の10人に1人が死亡するのです。別の国では乳幼児死亡率は1,000人に1人未満であるのにもかかわらずです。ある国では平均寿命が70歳をはるかに超えており、別の国では50歳の誕生日を迎えることのできる人は稀です。

私たちはこれらの何百万人もの人々にも手を差し伸べて、安全なところに引き上げなければなりません。

私たちにできることは非常に多くあります。まず何よりも、私たちはポリオ・プラスへの焦点を失ってはなりません。ポリオ・ウイルスが世界の極貧地域で最後の抵抗をしているのは偶然ではありません。20年前、私たちは厳かな約束をしました。そしてこれから数カ月のうちに、この約束を守らなければなりません。

私たちに援助できることは他にもあります。地元の病院に救命のための現代的な機器を整備すること、命の贈り物プログラムで子供たちを都市部に運んで心臓手術を行うこと、遠隔地に医師や歯科医を派遣すること、など。

飢餓、貧困、非識字、病気、不健康、これらは何百万人もの人々に降りかかっている災害であり、私たちは荒れ狂う洪水から人を引き上げるのと同じくらい緊急に、人々に手を差し伸べ、安全を確保しなければなりません。

この他にも、ただちに力強い行動を行うべき理由があります。


ここにおられる皆さまには、飢餓、貧困、無知が絶望を生むということを今更申し上げる必要はありません。そこには怒りも生まれます。残酷な世界の不公平に対する怒りです。そして、戦争にもってこいの土壌をつくるのは、この絶望感と怒りなのです。

戦争に対する擁護は、皆に行き渡るほど十分にはないから、自分たちの分け前のために戦わなければならない、というものです。戦争に対する擁護は、慈愛は死滅しているから、生き残るためには憎むことが必要だ、というものです。戦争に対する擁護は、人の命はあまり価値がないため、命を無駄にしても影響はない、というものです。

ロータリアンとして、私たちはこうした主張を論破しなければならないことをわきまえています。そして、可能な限りの手を尽くして、私たちはこれを論破します。

来年度、世界を悩ます多くの災害に団結して対抗するにあたって、あなたと私は世界中のロータリアンを導きます。これはあまりにも大きな課題であり、多くの複雑な要因がからまっています。しかし、この年度の私たちのテーマは単純明快で、人のニーズに直面したときにすべてのロータリアンが感じる自然な衝動を表現しています。

2003-04年度に、私はすべてのロータリアンに、手を貸すようお願い致します。

この言葉は、私たちに共通の基本的な本能を表現しています。親睦と奉仕で、他者に手を差し伸べること、クラブで、職場で、地域社会で、そして世界で、どこあろうと必要なところで手を貸すことです。

   私たちは赤貧を緩和するために手を貸します。
   読み書きのできない人を教育するために、手を貸します。
   病気の災いを和らげるために手を貸します。
   ロータリアン家族すべてに親睦の手を貸します。


私たちが力を注ぐ対象が私たちのクラブ内であっても、世界を半周した地域の人であっても、個人的に関与することが常にロータリアン奉仕の基本です。私たちが手を貸すとき、私たちはこの個人的な関与に重点を置いており、私たちは人類が一つであることを謳歌しているのです。恵まれない兄弟姉妹を喜んで援助する態度と意欲で力を合わせれば、1つの手は無数の手となり、ロータリーの援助の手が成し遂げることは無限です。

ドリーム・チームのメンバーの皆さま、さらに多くの善を為し、手を貸すことを決意して、世界に出て行きましょう。なぜなら、病気、困窮、荒廃から人々を引き上げる手は素晴らしいものだからです。

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